研究課題
全身性自己免疫疾患には、全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとした難治性病態が存在し新たな治療法が必要である。SLEでは自己抗体細胞は主要な免疫異常であり、同細胞を標的とした治療は、最も理想的な治療法と考えられる。 しかし、自己抗体産生細胞に特異的な細胞表面分子は、現時点では同定されていない。我々は、SLEでRP105陰性B細胞が抗dsDNA抗体などの自己抗体を産生し、SLE特異的なフェノタイプを有するplasmablast(形質芽細胞)であることを証明した。本研究ではSLE患者由来の自己抗体産生B細胞に発現する特異的抗原を標的とした治療法の開発を試みる。自己抗体産生B細胞、とくにplasmablastを標的とする治療法の開発は世界初の試みである。SLE特異的な自己抗体産生plasmablastあるいはB細胞を標的とした特異的治療法の確立のためには、SLE由来の自己抗体産生細胞すなわちCD19(low)CD138(-)RP105(-)plasmablastをフローサイトメーターにより解析し、同細胞に特異的に発現する分子の同定を試みた。候補分子の中でSLEのplasmablastに発現が強い分子を同定した。それらの分子について、それぞれ、臨床的な意義について、解析を行っている。RP105陰性のplasmablastに特異的に発現する細胞表面分子を標的とする治療は、SLEの自己抗体産生を抑える根本的治療となると考えられる。
2: おおむね順調に進展している
自己抗体産生細胞に特異的に発現する分子を同定するための計画の大半を達成しているため。
SLE患者において自己抗体産生をどの細胞が行っているかを確認する。上記成果を踏まえ、抗体製剤としてヒトヘの臨床応用の意義があるのかを最終検討する。
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