研究課題
全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとする自己免疫疾患は、いまだ難治性病態が存在し新たな治療法が必要とされている。SLEにおける抗dsDNA抗体のように、自己免疫疾患における自己抗体は主要な免疫異常の一つである。したがって、自己抗体産生細胞を標的とした治療は、最も理想的な治療法となりうる。しかし、自己抗体産生細胞に特異的な分子は発見されておらず、その標的治療は困難である。我々は、SLEでCD180(RP105)陰性B細胞が抗dsDNA抗体(自己抗体)などの自己抗体を産生し、SLE特異的なフェノタイプを有するplasmablast(形質芽細胞)であることを証明した。したがって、B細胞標的療法としてRP105陰性plasmablastやRP150陰性活性化B細胞は標的細胞の有力な候補であると考えられる。また、様々な免疫疾患におけるRP105陰性plasmablastの重要性を解明した。ANCA関連血管炎、ベーチェット病や関節リウマチ、強皮症などの病態にも関与している可能性があることがわかってきた。また、全性自己免疫疾患にとどまらず、炎症性疾患であるIgG4関連疾患でも関与を報告した。このように、RP105陰性B細胞の治療標的としての重要性はSLEにとどまらず、様々な自己免疫疾患や免疫関連疾患、加齢などによる免疫変化にも敷衍することができると考えられる。今後、RP105陰性plasmablastに共通する標的分子とRP105陰性plasmablastにおける疾患特異的標的分子を探索し、新規治療方法の開発を行っていくことが重要である。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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