緑膿菌バイオフィルム感染症に対するRNA干渉による抑制効果について検討した。グリコカリックス産生に重要な蛋白であるPslA、PelAに対するsiRNAを合成した。コレステロール、メチオニン、グルコースなどで修飾したsiRNAは非修飾のsiRNAに比べ効率よく菌体に取り込まれていた。緑膿菌を付着させたシリコン片を各siRNAと培養し、シリコン片上のバイオフィルム量をクリスタルバイオレット法で測定した。siRNA作用群と非作用群を比較するとシリコン片上の生菌数に差は認めず、バイオフィルム量にも差を認めなかった。本研究においてはsiRNAがバイオフィルム形成を抑制するとの証明はできなかった。
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