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2015 年度 実施状況報告書

環境曝露による気道炎症の解明:感染と喫煙

研究課題

研究課題/領域番号 26461514
研究機関順天堂大学

研究代表者

和田 裕雄  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50407053)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードIL-17 / 好中球 / マウス / COPD
研究実績の概要

肺炎マイコプラズマ(Mp)肺炎は慢性閉塞性肺疾患 chronic obstructive pulmonary disease (COPD)を増悪させる原因の一つであると考えられる。本臨床知見より、「肺炎マイコプラズマ肺炎とCOPDとは共通の病因メカニズムを有する」と仮説を立てて研究を続けてきた。これまでに、我々は肺炎マイコプラズマ肺炎のマウスモデルを確立し、マイコプラズマ菌体成分が炎症細胞やマウス肺でのIL-17発現に関与することを示した。さらに我々が確立したマウス喫煙曝露モデルを用いた検討では、短期曝露ではIL-17遺伝子欠損マウスの肺へので好中球性炎症が抑制されることを示した。同時に、MMP-9の発現が低下しており、IL-17が好中球性炎症発症のメカニズムに関与することを示した。
しかしながら、短期モデルでの好中球遊走が長期の喫煙曝露モデルにどのように関連するかは不明である。そこで、我々は、24週にわたる喫煙曝露を行う長期曝露モデルの確立を試みた。一般に長期喫煙曝露モデルは肺気腫のモデルとされ、気腫性病変に相当する肺胞airspaceが開大することが知られている。このairspaceの開大を評価するためには一般にmean linear interval (MLI)という指標が用いられる。そこで、イメージング解析の専門家とともにMLIを求める解析プログラムを構築した。本プログラムを用いて解析した結果、野生型マウスはMLIが有意に増加し、肺胞径拡大に相当するairspace enlargementを発症することを示された。長期曝露モデルの作成方法及び解析方法が確立したと考えられた。さらに、IL-17遺伝子欠損マウスを用いて実験継続中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

IL-17遺伝子欠損マウスの長期曝露実験も順調に進行しており、ほぼ予想した通りの結果が得られつつある。また、画像的解析方法も順調に確立することが出来た。このため、同結果を補強するデータの取得・検討・考察するという次のステップに予定通り移行できる見通しであるため、上記の通り判断した。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、(1)平成27年度までに得られたデータをさらに補強するデータを取得する。 (2)平成27年度までに得られたデータおよび28年度に得られたデータをまとめる。 (3)本データまとめについて、(海外の)共同研究者、協力研究者ともディスカッションを行う。さらに、追加実験を検討する。 (4)さらに、環境曝露の観点という一般的な観点にたって、炎症におけるIL-17の役割を考察・検討する。

次年度使用額が生じた理由

以下の理由で、研究費の使用順序が若干変更となった。 (1)研究代表者の所属移動による研究環境整備のため。 (2)次の研究の方向性を決めるため、画像解析の確立を優先したため。 (3)(1)を考慮したマウスの繁殖中であるため。

次年度使用額の使用計画

夏頃には、研究代表者のマウスおよび実験環境の移行が完了する。画像解析も継続しており、順調であるため、解析も順調に進めることが出来る予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Imperial College London(United Kingdom)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Imperial College London
  • [学会発表] IL-17A/F遺伝子欠損マウスは長期喫煙曝露により気腔開大が抑制される2015

    • 著者名/発表者名
      中村益夫、和田裕雄、佐田充、乾俊哉、中本啓太郎、檜垣学、宮東昭彦、井上信一、花輪智子、小林富美恵、菅間博、滝澤始.
    • 学会等名
      第38回分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同学会
    • 発表場所
      Kobe, Japan
    • 年月日
      2015-12-03 – 2015-12-03

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公開日: 2017-01-06  

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