川崎病は小児にみられる原因不明の血管炎で、しばしば冠動脈瘤などの心血管後遺症を伴う。私たちは本研究で、マウス川崎病様血管炎の発症に非受容体型プロリンリッチチロシンキナーゼ2(pyk2)が関与することを明らかにした。Pyk2ノックアウト(KO)マウスは起炎物質CAWSで誘導される同血管炎に抵抗性を示すとともに、CAWS刺激したpyk2KOマウスでは、血管新生抑制作用を有するCXCL9および10が長期にわたり高値を示すことがわかった。Pyk2-KOマウスでは炎症応答に関わる微小血管の新生が抑制されることにより、血管炎に抵抗性を示す事が示唆される。Pyk2は川崎病治療の分子標的として期待出来る。
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