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2015 年度 実施状況報告書

定量的MRI解析、MRSを用いた児童思春期の強迫性障害、発達障害の脳機能研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461762
研究機関千葉大学

研究代表者

中川 彰子  千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任教授 (70253424)

研究分担者 富安 もよこ  千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (10443079)
吉浦 敬  鹿児島大学, 医学部, 教授 (40322747)
平野 好幸  千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任講師 (50386843)
浅野 憲一  千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (60583432)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード強迫性障害 / 自閉症スペクトラム障害「 / 脳画像 / 認知行動療法 / MRS
研究実績の概要

本研究は、児童思春期の子どもの強迫性障害(OCD)の患者を対象に、認知行動療法(CBT)の前後での脳の形態画像、脳内代謝物の変化を調べ、その際基盤の自閉症スペクトラム障害(ASD)の有無による差異を定型発達児を対照群として検討することにより、OCD,ASD両障害の病態生理の解明とそれにもとずく治療指針に役立てることを目的とする。初年度である昨年度はCBTの治療効果を統制するため、治療の質のコントロールとして、治療マニュアル、スーパービジョンの検討を行った。また、治療前にはMRI画像撮影を行った。
今年度は昨年度に引き続き、対象者のリクルート方法の整備も検討し、地域の新聞や当センターのホームページで研究参加を呼びかけに努めてきた。

現在までに30名の研究参加希望があり、アセスメントの結果、除外基準により参加できなかったものを除き、18名のOCD児(男児11名、女児7名、年齢14.1±1.9歳)がエントリーし、治療前のMRI撮影を13名に施行した。また、対照群として6名の定型発達児がエントリーしている。治療開始後2名の脱落があり、8名がCBTによる治療を終結し、8名が現在治療中である。終結した8名中1名のデータ欠損があり、7名で治療前後の治療効果を検討した。全体では治療前後でメインアウトカムのCY-BOCS(Children Yale-Brown Obsessive-Compulsive Scale)の総得点は30.4±8.4点から19.1±11.7点に改善し(ES:d=1.11)、ASD非併存児(4名)は30.0±10.6点から16.3±10.2点(ES:d=1.32)に、ASD併存児(3名)は31.0±6.6点から23.0点から14.7点(ES:d=0.7)に改善した。今後症例をさらに増やしてCBT前後でのMRI撮影の結果を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

進捗状況は、予定よりもリクルートが進まず、また、紹介される患者が除外基準に当てはまることが続き、遅れている。治療後のMRI撮像は治療終了後約半年後を予定しているため、さらにすべてのデータが揃うのに時間を要するため。

今後の研究の推進方策

昨年度からのCBT治療のマニュアルとスーパービジョンの洗練化に伴い、治療効果は十分な効果量を得られているので、治療前後のMRI画像の比較をASDの併存の有無により検討し、さらに健常者のリクルートを増やして比較検討を行う。また、ASDの診断の精度を上げるために、DSM5による診断と共に、半構造化面接による診断補助ツールとして、ADOS-2(Autism Diagnostic Observation Schedule Second Edition)とADI-R(Autism Diagnostic Interview-Revised)を施行する。

次年度使用額が生じた理由

児童、思春期の対象患者のリクルート、および健常者のリクルートが予想以上に進まず、新聞等メデイアへの広告、地域の医療機関などへの協力要請などで研究参加者の募集を行ったところ、少しずつ対象患者が来院するようになったが、除外基準に相当するものも予想以上に多く、まだ、目標のペースに達していない。
以上の理由で被験者の画像の解析をおこなう人数が集積できなかったため、中間報告などを予定していた国際学会での発表までにいたらず、旅費も使えない状況であった。

次年度使用額の使用計画

今後は、ホームページから対象患者を募集し、除外基準に相当しないことを確認して、研究協力が確実にできる患者のアセスメントがおこなえるように配慮し、さらに学内外に研究参加者の紹介をお願いし、対象者を増やして研究を進める。
ある程度の人数が集まったところで、国際学会に中間報告をおこなうための旅費に使用する。また、解析に必要な書籍、ソフトなどの購入、検査者を増やす必要があり、人件費の増額も予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 子どもの強迫性障害に対する認知行動療法の有効性に関する研究2016

    • 著者名/発表者名
      永岡紗和子、中川彰子、平野好幸、清水栄司
    • 雑誌名

      メンタルヘルス岡本記念財団研究助成報告集

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

  • [学会発表] 認知行動療法のスーパービジョンー理想的なCBTのスーパービジョンとは?2015

    • 著者名/発表者名
      中川彰子、浅野憲一
    • 学会等名
      日本認知・行動療法学会第41回大会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県・仙台市青葉区)
    • 年月日
      2015-10-02 – 2015-10-04
    • 招待講演
  • [学会発表] Training CBT therapists and its treatment effect in Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa A, Shimizu E, Setsu R, Oshima F
    • 学会等名
      The 5th Asian Cognitive Behavior Therapy Conference
    • 発表場所
      南京、中国
    • 年月日
      2015-05-16 – 2015-05-17
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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