癌性胸腹膜炎の新たな治療を開発するために、腹膜播種を有するがん患者16例において癌性腹水中のがん細胞を難治性腹水濾過濃縮再静注法(CART)により濾過フィルター内に回収し、FACSを用いてCD45-EpCAM+がん細胞を分離した。すべての症例で2.4x105以上のがん細胞数を回収することができ、胸腹水がん細胞を用いた樹状細胞ワクチン療法が可能であった。胃癌細胞株MKN45、MKN74をFACSにてCD44+がん幹細胞とCD44-がん細胞に分離し、それぞれの細胞で健常人由来の細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導したところ、がん幹細胞でもCTL感受性は同様であり、特異的免疫療法の有用性が示唆された。
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