目的:TGFβ及びその下流のSMAD経路が抗HER2薬に対する耐性化に関与しているかを明らかにする。 結果:TGFβ-SMAD3経路の持続的な活性化は、HER2陽性乳癌細胞において抗HER2薬耐性化及び癌幹細胞形質を誘導した。SMAD3の活性化はトラスツズマブ(Tz)耐性に関わる複数の遺伝子の転写調節に関わっていた。乳癌組織における核内SMAD3の発現とTzを含む化学療法の病理学的奏功の間には負の相関が認められた。SMAD3を阻害すると、TGFβによる薬剤耐性化が阻止され、Tz耐性細胞におけるTz感受性が回復した。 結論:TGFβ-SMAD3経路は抗HER2薬に対する耐性化とその維持に関与する。
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