近年、鋸歯状ポリープという鋸歯状構造を有するポリープを総称する概念が提唱された。その中でも鋸歯状腺腫(SSA)はマイクロサテライト不安定性(MSI)大腸癌の前癌病変として注目されるようになった。我々は、SSAとMSI大腸癌に共通するメチル化プロファイルに注目し、独自に開発したDNAメチル化アレイを用いて127関連遺伝子を特定した。その1つであるAXINは大腸癌抑制遺伝子であるAPCとともに複合体を形成しβカテニンの分解に携わる。AXINのメチル化の程度は腺腫から癌へ進行すると共に上昇し、それに伴いその遺伝子発現は低下する。AXINは鋸歯状ポリープを介した発癌過程に深く関わっていると考えられる。
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