膵癌におけるヒアルロン酸ネットワークの発現およびその機能的役割について研究を行い、以下の知見を得た。1)ヒアルロン酸分解酵素HYAL1が高発現していた。2) ヒアルロン酸レセプターRHAMMの発現が膵癌で亢進しており、高発現群は予後不良であった。3)ヒアルロン酸を膵癌細胞に直接加えたところ、遊走能が亢進した。4)ヒアルロン酸の新規分解酵素KIAA1199が膵癌で発現が亢進していた。以上の所見より、膵癌ではヒアルロン酸の産生、分解、およびレセプターへの結合によるシグナル伝達が亢進しており、この一連のプロセスは膵癌の進展に重要な役割を果たしていることが考えられた。
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