本研究では、高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設と共同研究開発した放射光微小血管撮影法を応用し、肺高血圧症の微小肺動脈閉塞性病変の形態変化を解析することを目的とした。モノクロタリン誘導肺高血圧ラットの肺動脈放射光微小血管撮影を行ったところ、コントロールに比して有意な肺微小血管の狭小化を認めた。また、可視化された微小肺動脈リモデリング所見と組織学的な微小肺動脈血管壁肥厚所見が合致することが明らかとなった。さらに、免疫組織学的解析により、微微小血管狭小化の所見は、ET-1を介した肺動脈リモデリングの進行による血管壁の肥厚と、NOの発現低下による血管攣縮により誘導されている可能性が示唆された。
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