細胞凝集現象により形成されるスフェロイドを一つの単位として、細胞のみで任意の立体構造体を構築する組織工学技術を用いた血管再生の研究を進めてきた。ヒト由来血管内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞を混合した血管組織型スフェロイドを用いて血管様構造体を構築し、胸腺欠損ヌードラットや免疫抑制剤投与下の大動物への短期移植に成功した。組織をバイオリアクターで成熟させ、1000mmHg以上の力学的強度(圧力破砕試験)を有する血管様構造体の作製に成功した。長期培養した構造体の病理組織検査にて生体血管に似た層構造を認め、細胞外マトリックス産生(外側)と、内側の一部にCD34陽性血管内皮細胞を確認した。
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