研究課題
マイクロRNA-21(miR-21)は様々な癌細胞で発現が亢進しており、細胞の生存維持作用を有する。miR-21は虚血時の神経細胞でも発現が上昇している事が報告されているため、miR-21の生存維持作用が脳虚血時の神経細胞死を抑制し、脳梗塞の治療薬になるのではないかと考え、研究を計画した。まず、ラット一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)モデルの作製のため、マウスを麻酔させた後、一側の頚動脈よりintraluminal suture methodにて一過性の中大脳動脈閉塞(tMCAO)モデルを作製した。閉塞時間は30分、1時間、2時間の群に分け、中大脳動脈の血流をFiber optic probeを用いてモニターし、MCAO後、経時的にラット脳を取り出し、正中で切り離し、MCAO側と反対側の脳を別々に採取して、正常脳と梗塞脳でのRNAを抽出した。それぞれでmiR-21の発現について解析したところ、梗塞側で軽度上昇していることを認めた。今後、再現性があるかを確認し、miR-21のトランスジェニックマウスの作製を試み、同様の解析を行い、梗塞の治療薬の可能性を検討する予定である。
2: おおむね順調に進展している
マウスに対して、中大脳動脈の一過性閉塞モデルを作成する技術はほぼ確立した。MCAOのマウスモデルを用いた梗塞脳でのマイクロRNA解析も特に問題なく出来、おおむね順調に進展していると考えられる。
miR-21のトランスジェニックマウスの作製を試みる予定である。また、マウスモデルの作製が困難であれば、現在のマウスモデルに対して、脳梗塞部にmiR-21 mimicあるいはinhibitorを注入して梗塞範囲の変化を検討する予定である。
消耗品の納品が遅れたために、生じました。
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