研究課題/領域番号 |
26462158
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
水川 克 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80403260)
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研究分担者 |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10379399)
田中 一寛 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70467661)
細田 弘吉 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90403261)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | microRNA-21 / cerebral infarction / apoptosis |
研究実績の概要 |
microRNA-21(miR-21)は様々ながんで発現が亢進しており、癌細胞の生存維持、アポトーシスの抑制に関与しており、虚血時の神経細胞でも発現が上昇していることが報告されているため、miR-21の生存維持作用が脳虚血時の脳保護に働き、脳梗塞の治療薬になるのではないかと考え、計画を立案した。 ラット一過性中大脳槽脈閉塞(MCAO)モデルを作製した。マウスを麻酔させた後、一側の頸動脈よりinterluminal suture methodにて一過性の中大脳動脈を起こした。閉塞時間は30分、1時間、2時間と分け、中大脳動脈の血流をFiber optic probeを用いてモニターし、閉塞後経時的にラット脳をより出して、正中で離団。MCAO側と正常側の脳を別々に取り出して解析した。RNAを抽出後、miR-21の発現をreal-time PCRで解析すると、MCAO側の脳組織でmiR-21の発現が亢進していることが判明した。2時間後に最も発現亢進が見られた。同様の脳を用いて、メタボローム解析を行うと、MCAO2時間後の脳ではGABA, Alanine, Ethanolamine, Glycerol, Citrate, Uracilの濃度が上昇し、逆にGlutamate、Aspartate、Glucoseの量が低下していた。 今後は、miR-21を導入した細胞、トランスジェニックマウスを作製し、虚血時の耐性について解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MCAOラットモデルの作製はでき、安定して一過性脳虚血モデルは作製可能となり、マイクロRNA発現解析まで進むことが出来た。しかし、miR-21の導入およびトランスジェニックマウスの作製はまだできていないため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、miR-21のトランスジェニックマウスの作製を試みる予定である。トランスジェニックマウスモデル作製が困難であれば、現在のMCAOマウス、ラットモデルに対して脳梗塞部にmiR-21のmimicあるいはinhibitorを注入して、脳保護作用を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
納品が遅れたため、次年度使用額が生じました。
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次年度使用額の使用計画 |
プラスチック製品などの消耗品に使用する予定です。
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