5名の慢性期完全運動麻痺胸椎損傷患者に対して自己嗅粘膜移植手術を施行した。5症例中4症例において機能回復を認めた。本症例において術前後に継時的にfMRIを施行したところ、1次解析で、右上肢運動、下肢運動、下肢運動イメージのそれぞれに対して、主に左中心前回および右小脳での妥当な脳賦活図が示された。手術前後で脳賦活部位の減少を認めており、機能回復により脳の効率的な使用によるものであると考えられた。2次解析では、手術前後の下肢運動での比較 において左中心後回、左海馬傍回、左淡蒼球での脳賦活の有意な減少を認めた。上記結果により嗅粘膜移植による下肢運動機能の改善に伴い脳活動の変化をとられることができた。
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