研究課題/領域番号 |
26462210
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
飯田 幸治 広島大学, 大学病院, 講師 (20304412)
|
研究分担者 |
香川 幸太 広島大学, 大学病院, 医科診療医 (40726981) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | Noda epileptic rat / Vagal nerve stimulation / 非定型欠神発作 / 強直間代性けいれん |
研究実績の概要 |
Noda epileptic rat (NER)は生後2-3ヶ月で雌雄ともに強直間代性けいれん発作(GTC)、ミオクローヌス発作(MC)、欠神様発作(Abs)を発症する遺伝子てんかんモデルラットである。我々はNERに迷走神経刺激を行い、そのてんかん発作抑制効果について検討した。雌雄NER(体重245-390g)を対象とし、VNS(A)群(n=5)、コントロール(B)群(n=6)に分けた。両群とも左迷走神経に刺激電極を留置し、A群には刺激装置をB群には同形のprosthesisを背部に設置した。1週間程度の回復期間を置いた後、A群は刺激を2時間行ない、その間の観察(行動観察と脳波測定)を行った。B群では同時期に観察のみ行った。対照として刺激1-2日前にも同様の観察を両群で行なった。迷走神経刺激前後のGTC、MC、Absの発作頻度とAbsではその総発作持続時間を群内比較にt検定を、群間比較は分散分析を用いて比較検討した。各発作頻度はGTC、MCで群内、群間(MC, P=0.186)とも有意差(P<0.05)はなく、AbsではA群で有意な発作減少を認めたが、群間比較では有意差(Abs, P=0.54)を認めなかった。欠神様発作の総発作持続時間はA群で有意(P=0.643)な減少を認めたが、群間では有意差(P=0.554)を認めなかった。我々はNoda epileptic ratに非定型欠神発作が起こることを脳波・行動学的に初めて確認した。また、NERの非定型欠神発作において、VNS急性刺激で発作頻度と総発作持続時間を減少させることを確認した。従来の強直間代生けいれんに対してはVNSは発作減少効果を示さなかった。この成果は第74回日本脳神経外科学会第学術総会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、研究開始2年目で急性刺激のデータをだすことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
現在NERに対する迷走神経慢性刺激実験を行っており、実験は順調に進行している。慢性刺激のデータをまとめた結果は今後国内・国際学会で発表を行いつつ論文投稿に向けて準備を行っている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に国際学会での発表、論文投稿などを予定しており物品購入を必要最小限にとどめたため
|
次年度使用額の使用計画 |
国際学会参加、国内学会参加、論文投稿など
|