研究課題/領域番号 |
26462301
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福士 純一 九州大学, 大学病院, 助教 (40444806)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MMP2 / MT1-MMP |
研究実績の概要 |
MMP2遺伝子の不活性型ミスセンス変異は、ヒトにおいて多関節の関節破壊と骨粗鬆症を呈する多中心性骨溶解症(Winchester症候群)を生じる。ムチランス型の関節リウマチに類似した病態が、プロテアーゼの不活性型変異で生じることは興味深いが、その分子機序については全く明らかとなっていない。最近になって、MT1-MMP遺伝子変異によっても骨溶解症が生じることが報告され、変異型MMP2がMT1-MMPの機能を抑制することが想定される。遺伝子改変マウスおよび骨溶解症患者由来iPS細胞を用いて、MMP2/MT1-MMP機能不全が骨関節におよぼす影響とその分子機序を解析することが本研究の目的である。 先行研究において、ベータアクチンをプロモーターとした変異型MMP-2のトランスジェニック(Tg)マウスを作成したところ、繁殖能力を持たず、解析ができなかった。そこで本研究では、ヒト疾患により近い遺伝的環境を構築すべく、入手可能なMMP2遺伝子欠損マウスに、骨特異的に変異型MMP-2を発現させることを計画した。 本年度はまず、骨に特異的に変異型遺伝子を強制発現させるため、I型コラーゲンのプロモーターを用いたコンストラクトの作成に取り組んだ。I型コラーゲンプロモータの下流に変異型MMP2を組み込み、さらにHAタグをつけた発現ベクターを作成し、培養細胞におけるタンパク発現と、HAタグによる回収が可能であることを確認した。 in vitroにおいては、変異型MMP2とMT1-MMPとの相互作用の有無について、HEK293細胞における強制発現の至適条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究室の移転と重なったこともあり、トランスジェニックマウス作成に用いる発現ベクターの、作成および機能確認に時間を要し、動物実験の進行が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験の遂行と並行しながら、in vitroにおける変異型MMP2の機能解析を進めて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験の進行および培養細胞を用いた実験の進行に遅れを生じ、動物購入費および消耗品購入費が予定額よりも少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験費ならびに試薬購入として、次年度に使用する。
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