本研究は,APCによるNaチャネルへの効果(チャネル蛋白の増加,電流の増大)をプレコンディショニングを受けないDahl-Sラットで検討した.Dahl-Sラットでは上記のAPC効果が発現しなかった。また,5分間の酸化ストレス/再灌流傷害を与えた心筋細胞では,APC群においてNa電流が抑制された.再灌流から10分後,15分後とNa電流は両群において増大したが,APC群での増大は有意に抑制された.Na過負荷とそれに続くCa過負荷による心筋障害はAPCにより抑制される可能性が示唆された.In vivo APC後の心臓の虚血/再灌流傷害(30分間)では,Na電流がコントロールレベルまで有意に抑制された.
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