近年前立腺癌患者の組織よりアクネ菌が高頻度に検出されており、本菌の感染が前立腺癌の危険因子であることが示唆されている。また、針生検を用いた診断においては偽陰性となることがあり診断精度の向上が望まれている。当研究室にて作成したモノクローナル抗体を用いて前立腺針生検に対する免疫組織学的検討を行うと癌群にて有意に高い感染率を示し、本手法は前立腺癌診断の精度向上に寄与するものである。マウス感染モデルにおいては尿道カテーテル法にてマウス前立腺にアクネ菌を感染させることで炎症反応および制御異常が発癌に深く関わるとされる転写因子STAT3の活性化を誘導した。今後更なる長期的な感染実験により発癌が期待される。
|