制御性T細胞が膀胱癌の再発や進展に関与しているかを検討した。まず臨床標本を解析し、105例の初発筋層非浸潤膀胱癌を解析した結果、腫瘍組織中にTreg浸潤が多い症例で有意に再発率が高く、BCG膀胱注入症例に限っても同様の傾向が見られた。以上から制御性T細胞が膀胱癌の再発や進展に関連していると考えられた。つぎに膀胱癌に対するBCG注入療法で制御性T細胞がどのように働くか検討するためラット膀胱癌モデルで制御性T細胞の変化を解析した。BCG膀胱注入治療群ではコントロール群に比べて末梢血中のTregが高い傾向が見られた。引き続き、Treg除去体外循環治療を併用する治療実験を行っている。
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