骨盤臓器虚血(pelvic ischemia; PI)に伴って発症する膀胱機能障害と勃起障害(ED)発症のメカニズムの解明を目的とした。PIに伴う膀胱機能障害は、RhoA/ROK経路の機能亢進により生じていることを私達は既に報告している。今回は、PIに伴う勃起機能に関して検討を行った。結果は、PI群において陰茎内の間質部分の増加と、発現機能解析上、陰茎海綿体のRhoA、ROKα、及びROKβの発現亢進を認めた。今回の検討からは、RhoA/ROK経路の亢進に伴い、陰茎海綿体内の平滑筋の収縮が亢進し、その結果、海綿体内の血流障害が生じ、陰茎海綿体の線維化とED発症の可能性が示唆された。
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