精嚢分泌タンパク質による精子受精能獲得の抑制機構について、主にヒトを対象として研究を行った。受精能獲得はコレステロールの流出で開始する。そこで、コレステロールによって制御される脂質ラフト構成成分であるガングリオシドGM1、また、精子最外表面をコートしているグリコカリックスとその構造の中心を担うβディフェンシン126への精嚢分泌タンパク質SEMGの作用を検討した。SEMGはコレステロールへの明確な結合を示さなかったが、ガングリオシドGM1及びGM2への結合を示した。男性不妊症患者(無精子症は除く)DNA検体のβディフェンシン126遺伝子多型検査ではその頻度分布に正常群との差はみられなかった。
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