男性不妊症のおよそ80%を占める精子無力症発症の原因遺伝子変異を特定する手法の開発を目指し、精子無力症患者精子に対して数種類のマーカー精子タンパク質の変動を基準とするスクリーニング方法を確立した。開発した手法によって実際におよそ200例の精子無力症患者の中から、ヒトGALNTL5遺伝子上に母親由来と推測されるヘテロの1塩基欠損によって精子無力症を発症した患者を一例同定することに成功した。更に次世代シークエンサーの導入で、感度の高い遺伝子変異検出が可能になり、精子幹細胞に生じた極僅かな割合のヒトGALNTL5遺伝子変異が原因とされる、極めて稀な精子無力症発症例の検出にも成功することができた。
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