本研究では卵巣癌微小環境におけるケモカインシステムに着目し卵巣癌進展における役割を検討した。宿主におけるCX3CL1-CX3CR1およびCCR5の機能解析のためCX3CR1KO(ノックアウトマウス)およびCCR5KO(ノックアウトマウス)を用い、マウス卵巣癌細胞株ID8の腹腔内移植モデルにて解析した。CX3CR1KOでは腹膜播種・腹水量が有意に減少し、生存期間は延長、腫瘍内マクロファージの浸潤は減少した。CCR5KOマウスでは血管新生の減弱を認めた。宿主のCX3CR1あるいはCCR5欠損により腫瘍進展は抑制され、癌微小環境内でケモカインシステムが卵巣癌進展に有利な環境を作りだすことが判明した。
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