卵巣癌は早期発見が困難な予後不良の疾患であり、分子標的薬などの開発応用が進んでいるものの予後改善はいまだ不十分である。卵巣癌診断に汎用されるCA125にいくつかの弱点があるがその発見以来、技術革新にもかかわらず早期診断に有効な新たな血清マーカーの発見はない。我々は、従来の単一分子への抗原抗体反応を基本としたアッセイ系での腫瘍マーカーの測定という概念を打ち破り、患者と健常人血清を用いた血清網羅的糖ペプチドプロファイル解析により、未だその感度・特異度の優るマーカーが発見されていないCA125よりも有意に早期卵巣癌(特に本邦で頻度の高いCCC)を診断しうる糖ペプチドマーカーを発見同定した。
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