研究課題/領域番号 |
26462646
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
木下 望 自治医科大学, 医学部, 講師 (00382846)
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研究分担者 |
梯 彰弘 自治医科大学, 医学部, 教授 (30296123)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 0.01%アトロピン点眼薬 / オルソケラトロジー / 眼軸長伸展抑制 / 近視進行抑制 / 近視進行予防 / 低濃度アトロピン点眼薬 |
研究実績の概要 |
この研究の目的は、0.01%アトロピン点眼薬とオルソケラトロジーの併用治療による近視進行抑制(眼軸長伸展抑制)の相加効果について検討することである。 協力施設こんの眼科および大宮はまだ眼科においてオルソケラトロジーを希望する外来患者のうち、①8~12才の男女、②両眼の等価球面屈折度数-1.00~-6.00D、③両眼の乱視度数1.50D以下、④不同視1.50D以下、⑤矯正視力1.0以上、⑥出生時体重1500g以上を選択基準とし、対象をA. オルソケラトロジー+0.01%アトロピン点眼群、B. オルソケラトロジー単独群の2群に分けて、各群40例を目標症例数として、参加者を募集した。 眼軸長は、角膜形状の平坦化を考慮してオルソケラトロジー開始3ヶ月後の測定値を基準値とし、この時点での各群への患者の割り付けは、年齢と他覚的等価球面屈折度数を偏りを防止する目的で層別無作為化の手法を用いて行った。A群に割り付けられた症例はオルソケラトロジー開始3ヶ月後から0.01%アトロピンの点眼を開始させた。オルソケラトロジー開始3ヶ月後、以後3ヶ月毎に受診させ、毎回、眼軸長を測定した。 2017年11月30日時点で、1年間の眼軸長変化量の得られた症例は、A群20例、B群20例、合計40例で、1年間の眼軸長変化量は、A群0.09±0.12mm、B群0.19mm±0.15mmで、有意差を認めた(P=0.0356, unpaired t test)。 途中経過ではあるが、オルソケラトロジーに0.01%アトロピン点眼薬を併用した方が、オルソケラトロジー単独よりも強く眼軸長を抑制する可能性が示唆された。 以上の結果を、2017年5月7日~11日に米国で開催されたAssociation for Resrarch in Vision and Ophthalmology(ARVO)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
症例数は各群40例、合計80例、経過観察期間は2年間を目標としていたが、2016年末の時点で、症例数、経過観察期間ともに約半分の状況であった。 遅れた理由として、①当施設の倫理審査委員会の承認を受けるのに3ヶ月かかり、参加者募集開始が2014年6月30日から開始になってしまったこと、②オルソケラトロジーの希望症例が考えていたより集まりにくかったことが挙げられる。 参加者が集まりにくかった理由として、①オルソケラトロジーは自由診療であり、協力施設の価格設定が高めであったこと、②オルソケラトロジーの認知度がまだ低かったことが考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
症例数に関しては、参加者の募集期間を当初2015年6月30日までとしていたが、2016年12月31日まで延長し、ほぼ到達した。 経過観察期間に関しては、当初の研究期間は2017年3月31日までであったが、補助事業期間を2018年3月31日まで延長申請し承認された。しかしながら、2016年12月31日にエントリーされた参加者は2年間の経過観察終了が2019年3月31日になる。 研究参加者には、眼軸長の基準値測定日(オルソケラトロジー開始3ヶ月後)から1年経過時と2年経過時に1万円づつ、定期検査のための交通費を支給する計画にしていた。2015年12月31日までにエントリーされた参加者へは2018年3月31日までに予定通り科研費からの交通費の支給が可能であるが、補助事業期間を延長しても、2016年1月1日以降にエントリーされた参加者へは2年経過時の支給が不可能なため支給しないことにした。 補助事業期間終了後も、目標症例数の各群40例、合計80例、経過観察期間2年間を目標に研究を継続してゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
目標症例数を80症例に設定し、参加者の募集期間は当初1年間を予定していた。しかし、1年経過した時点で約20症例しか集まらなかった。そこで募集期間を延長した。 研究参加者には、眼軸長の基準値測定日から1年経過時と2年経過時に1万円づつ、定期検査のための交通費をを支給する計画にしていた。しかし募集期間を延長したため、交通費を当初の研究期間内に支払うことができなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究参加者の募集が遅れたため、参加者の募集期間を当初2015年6月30日までとしていたが、2016年12月31日まで延長した。そのため、当初の補助事業期間は2014年4月1日~2017年3月31日までであったが、2018年3月31日まで延長を申請し承認された。2015年12月31日までにエントリーされた参加者へは予定通り科研費から交通費を支給する予定である。 また国際学会への発表を、ARVO 2017(2017年5月6日~11日、ボルチモア、米国)で行ったため、旅費の支給を申請中である。 残額は、点眼薬の物品費、英文医学雑誌への投稿費用等に充てる予定である。
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