本研究は、lysosomal phospholipase A2(LPLA2)を軸に、眼疾患のリン脂質代謝を解析した。 自己免疫性ぶどう膜炎ラットで炎症と呼応して房水中LPLA2活性が増減した。また、炎症での眼内浸潤マクロファージにLPLA2と酸化リン脂質が発現した。LPLA2欠損マウスでエンドトキシンによる眼内炎症が遷延した。臨床検体では緑内障で房水中LPLA2が高かった。In vitroでは、LPLA2が非酸化型に比べ、一部の酸化リン脂質を効率良く分解した。LPLA2過剰発現細胞で酸化リン脂質による細胞障害が軽減した。 以上、眼疾患のリン脂質代謝でLPLA2の役割が示された。
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