マウス表皮細胞から角膜上皮細胞への形質転換に及ぼす輪部実質由来因子の関与を検討した。輪部実質細胞(MLSF)のトランスクリプトーム解析により、複数のWnt阻害因子がMLSFで高発現することが明らかとなった。Wnt阻害因子(sFRP2)添加後の表皮細胞において、K12, PAX6遺伝子発現量の増加傾向を認め、Wntシグナルの形質転換への関与が示唆された。輪部実質細胞を含むゲル上で表皮sp 細胞を培養する三次元培養モデルにおいてもK12遺伝子の発現を認めた。Wntシグナル調節に同時に複数の因子が関与することも考えられ、今後これら因子の組み合わせについて、培養モデルを用いた詳細な検討が必要である。
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