細胞系譜解析を用いた角膜上皮幹細胞の恒常性維持機構の解明を目的に、LRIG1遺伝子ノックインマウスの創出に成功した。本マウスを用いて解析した結果、生体内で標識されたLRIG1(+)角膜上皮幹細胞は、角膜輪部に局在するのみならず、角膜周辺部、中央部にも散在的に存在することがわかった。また、本マウスを用いた長期追跡観察で、角膜輪部には全く細胞移動しない極めて静止状態に近い幹細胞が存在することがわかった。これらの結果は、角膜上皮が角膜輪部に存在する幹細胞でのみ維持されていると考えられている現在のコンセプトに再考の必要性を示す極めて重要な研究結果となった。
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