研究課題/領域番号 |
26462706
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
川原 央好 浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20224826)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 重症心身障がい児 / 胃食道逆流症 / 食道インピーダンスpHモニタリング / 酸性胃食道逆流 / 非酸性胃食道逆流 |
研究実績の概要 |
重症心身障がい児の胃食道逆流症の病因としての上部消化管motility異常を解明する手段として、国際的には24時間食道インピーダンスpHモニタリングが最も信頼できる検査とされている。しかし、本検査の我が国での歴史は浅く、検査結果を評価する診断基準はいまだ確立していない。そこで、本学を含めた全国7施設(久留米大学、岡山大学、香川大学、群馬大学、千葉大学、獨協大学越谷病院)の小児外科医と日本小児消化管機能研究会ワーキングチームを結成した。海外の文献から情報を収集するとともに、食道インピーダンスpHモニタリングの世界的権威であるオーストラリアフリンダース大学のTaher Omari博士に直接意見を求めた。ワーキングチーム内で頻繁に意見交換を行い、24時間食道インピーダンスpHモニタリングによる小児の胃食道逆流の評価試案を作成した。 本評価試案における異常な胃食道逆流は、1歳未満は酸逆流時間率が10%以上、ないしは、インピーダンスによる逆流回数が100回を越える場合、1歳以上は酸逆流時間率が5%以上かインピーダンスによる逆流回数が70回を越える場合とした。また、胃食道逆流と症状の関連性ついては、Symptom Indexが50%以上、ないしは、Symptom association probabilityが95%以上の時に陽性とすることした。 24時間食道インピーダンスpHモニタリングの評価試案を第47回日本小児消化管機能研究会シンポジウムの基調講演で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24時間食道インピーダンスpHモニタリングの日本の診断基準を作成するために平成28年度の1年を要したため、当初の3年計画の研究を1年間延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に作成した24時間食道インピーダンスpHモニタリングの評価試案を、第54回日本小児外科学会学術集会(平成29年5月12日)に発表して、広く意見を求める予定である。 本評価試案を用いて重症心身障がい児の胃食道逆流について、新しい分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が遅れたため、平成29年度にも本研究を継続するため。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集、国際学会での発表、英文論文作成などに使用する予定。
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