重症心身障がい児における胃排出遅延は、胃食道逆流の直接的病因となっている可能性は否定的と考えられた。六君子湯や胃瘻造設術により酸性胃食道逆流が減少したのは、胃の適応性弛緩の改善によって経腸栄養製剤の胃内での保持がよくなり、buffering 効果が高まったことが原因と推測された。 重症心身障がい児では酸性と非酸性GERがほぼ同程度であったが、異常GERの児では正常GERの児に比べて酸性GERが増加していた。その原因として胃底部受容性弛緩不全によるbuffering actionの障害の関与が推測された。
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