本研究はまれな疾患である頭蓋縫合早期癒合症の原因解明に少しでも近づくために行われた。頭蓋縫合早期癒合症の患者8名において手術を行ない癒合している縫合部の骨標本を採取した。 手術により頭蓋形態が改善しているか、脳の除圧が有効に行われているかを単純X線撮影、3次元CT、MRIにて観察した。その結果われわれの開発した後頭蓋骨の骨延長術を行うことでこれらの改善が有効に行われていることを確認した。 採取した骨検体はホルマリン固定したのちEDTAにて脱灰し免疫組織学的検索を行った。その結果、TGF-βが癒合に関与していることが示唆された。また縫合部の骨組織でのFGFR2などの遺伝子の発現を検討中である。
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