研究課題
我々は幹細胞や薬剤を担体として可視光で硬化する光反応性ゼラチンや多糖誘導体リン酸化プルランを用いた口腔ケア用品、接着性人工骨など様々な材料を開発し、実用化に取り組んできた。本研究ではこれまでのノウハウをもとに、感染を防御し、硬組織を再生する従来にない薬剤徐放型歯内療法システムを開発し実用化につなげることを目指している。今年度は昨年度に引き続きリン酸化プルランならびに可視光硬化型ゼラチンの直接覆髄剤としての機能評価を行った。1.リン酸化プルランの圧縮強さの計測リン酸化プルラン、リン酸化プルランにβTCPを添加したセメント、リン酸化プルランにαTCPを添加したセメント、リン酸カルシウムセメントによりモールドを作製し、圧縮強さの計測を行った。この結果リン酸化プルランを塩化カルシウムで練和した硬化体の圧縮強さは試料製作後1日では38.7MPa、試料製作後1週間でもほぼ同様な38.8MPaであった。リン酸化プルランにβTCPを添加したセメントの圧縮強さはリン酸化プルランとβTCPの混合比が4:1では試料製作後1週間では33.5Mpaであったが、リン酸化プルランとβTCPの混合比が1:1の場合では試料製作後1週間の圧縮強さは68.2Mpaであった。リン酸化プルランとαTCPの混合比が1:1のセメントの圧縮強さは試料製作後1日後では82.5Mpaの値を示した。リン酸カルシウムセメントの圧縮強さは試料製作後1週間で21.5Mpaであった。2.可視光硬化型ゼラチンの新たな展開可視光硬化型ゼラチンにはローズベンガルを使用してきたが、その毒性が問題になっている。ローズベンガルのかわりとしてリボフラビンを使用することが可能であることが確認された。
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