本研究では妊娠中のストレス負荷により引き起こされる新生仔の骨粗鬆症に対する咀嚼刺激の効果を解析した。妊娠ストレス負荷をかけた母マウスの血中コルチコステロン濃度は有意に上昇した。妊娠ストレス中に咀嚼刺激を与えると、母マウスの血中コルチコステロン濃度は有意に低下した。妊娠ストレス負荷をかけた母マウスから生まれた仔マウスでは、骨形成の抑制と骨吸収の促進による骨量が有意に低下した。妊娠ストレス条件下咀嚼刺激を与えた母マウスから生まれた仔マウスの骨量がある程度回復した。これらの結果より、妊娠ストレス条件下での咀嚼刺激はストレス反応を緩和し、妊娠期ストレス性骨粗鬆症の発症を抑制しているものと考えられる。
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