本研究では,in vivoでデジタル印象とシリコーン印象の術者間の再現性を比較した.欠損歯を有さない12人の被験者の下顎右側臼歯に対して口腔内スキャナーとシリコーン印象材の2種類の印象法で2人の術者により印象採得を行った. これらの印象から得られたSTLデータの術者間比較における差分を数値化したところ,デジタル印象がシリコーン二重同時印象よりも分散が少ない傾向を示した.また,患者の違いによる分散の変動も,デジタル印象がシリコーン二重同時印象よりも少ない傾向を示した.以上より,口腔内スキャナーは術者の臨床経験に関わらず,従来のシリコーン印象と比較してより良好な再現性を有することが示唆された.
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