象牙質中の非コラーゲン性タンパク質のうち、最も多く見出される象牙質シアロリンタンパク質(DSPP)を構成する象牙質シアロタンパク質(DSP)と象牙質リンタンパク質(DPP)の生理活性作用について調べたところ、両者自身には生理活性作用はなく、象牙質に含まれるトランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β1)と結合することでその活性を維持することが判明した。また歯髄組織にはDPPが存在しておらず、その理由として歯髄組織にはDSPのみを、象牙芽細胞にはDSPP全長体をコードするスプライスバリアントの違いで生じていた。以上より、DSPP全長体が象牙芽細胞分化マーカーとして有用であることが考えられた。
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