これまでに我々は、口腔癌の浸潤の際にΔNp63βの発現が減弱し上皮間葉転換(EMT)が誘導されることを示したが、詳細は不明であった。本研究では、EMTに関与するmicroRNA(miR)を同定するために、口腔癌高転移株にΔNp63βを強制発現させてmiRマイクロアレイ解析を行ったところ、最も発現が上昇したのはmiR-205であった。そこで、miR-205のinhibitorを添加したところ、ZEB1、ZEB2の発現が上昇し、EMTが誘導され、浸潤・遊走能が亢進していた。以上より、口腔癌の浸潤にはにΔNp63βとにmiR205の発現減弱により、ZEBの発現が上昇することが重要であると考えられた。
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