日本で顎関節症は歯科三大疾患の一つで患者数が多い。診断のためにX線写真やMRIなどの画像検査を行うことが多いが、顎関節の構造が複雑なため正確な病態把握は難しかった。我々はこれまでに顎関節症の治療で関節洗浄治療を行った後の洗浄液中に含まれる細胞成分をcell block tissue array標本を作製して病理検査を行い、細胞レベルで顎関節部の病態を調べる検査方法を開発してきた。顎関節の病態をさらに詳しく調べるためには、分子細胞レベルで検査を行う必要がある。そこで本研究では、顎関節部の病態を遺伝子レベルで調べるための検査方法を検討し、一連の検査手技を確立した。
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