これまで、矯正力に対してこのような増殖能や分化能をもつ歯根膜細胞の歯根膜内局在変化について報告されていない。本研究は、細胞増殖関連マーカーであるKi67およびLGR5を指標にして、矯正的歯の移動時における、細胞増殖能や骨芽細胞様分化能を示す歯根膜細胞の局在の推移変化について、ラット矯正移動モデルを用いて、免疫組織学的および生化学的観点から検証した。本研究の結果から、矯正学的な歯の移動の早期において、歯根膜内における細胞増殖関連マーカーKi67およびLGR5の発現は増加した。さらに、Ki67の発現部位は、骨芽細胞分化マーカーRUNX2と共局在することが認められた。
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