小型霊長類コモンマーモセットの分娩出産時から性成熟期に至るまで、X線動画撮影装置およびビデオカメラで観察記録した。無歯期~乳歯列期~永久歯列期の全過程を通して、特に顎顔面の成長発育と咀嚼・嚥下機能の発達を詳細に解析した。顎顔面の解剖学的発育とは関係なく、咀嚼周期は一定であることが判明した。これらの成果は、ヒトを対象とすることでは不可能であり、また従来のラットやマウスなどのげっ歯類では技術的に困難である。今後、咀嚼周期の安定に関するメカニズム、特に咀嚼と脳機能の発達のしくみなどの小児歯科のみならず歯科全般の研究において、ヒトに近い実験モデルとしてコモンマーモセットの有用性が高いことが証明された。
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