口腔細菌による動脈硬化発症において、先天性免疫因子gp-340が関与する可能性を調べた。これまで、ヒト動脈内皮細胞の炎症誘導に関与することが認められているStreptococus mutansを主に用いた。細菌を各種ヒト血管内皮細胞に作用させたところ、gp-340の遺伝子発現が上昇した。タンパク発現については、内皮細胞において対照と比較してやや強い発現を認めたが、培養上清中のレベルは検出限界以下であった。また菌と内皮細胞の共培養時は、菌体の凝集が観察された。 これらの結果から、口腔細菌の刺激によって血管内皮細胞からgp-340が誘導され、内皮細胞の炎症を生じる可能性が示唆された。
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