咀嚼機能の低下が若年者,高齢者の内臓脂肪量、顎関節にどのような影響を与えるのかを調査することを目的とし、歯の削合により咀嚼機能抑制を施したモデルラットを用いCTで経時的に観察した。実験群において臼歯の摩耗が少なかったことは,咀嚼能力の低下が生じたと考えられた。咀嚼能力が低下した場合でも,食事摂取量が同じであれば,咀嚼能力の違いによって、内臓脂肪量や体重,血中中性脂肪量に差は見られなかった。咀嚼能力の低下は,下顎頭形態の発育やリモデリングに早期に影響し,若年者では下顎頭の成長を停滞させ,高齢女性では下顎頭の萎縮性変化を増悪させる可能性が示された。
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