自発性異常味覚は、安静時に生じる味覚である。最も多い主訴は苦味である。この研究の目的は、苦味を有する自発性異常味覚の原因を調査することである。病歴、服用薬剤、心理検査等の問診を行った。唾液中および血清中のマグネシウムを測定した。各平均値を患者群と対照群とで比較した。唾液中のマグネシウムの値、GHQ30およびSDS合計点は、対照群よりも患者群で有意に高かった。患者群は健常群と比較して有意にアレルギー疾患を有していた。多くの患者は、味覚障害の副作用を伴う投薬を受けていた。以上の項目は、苦味の自発性異常味覚に影響を及ぼす要因となり得ることが示唆された。
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