研究課題/領域番号 |
26463233
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮崎 伊久子 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (30347041)
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研究分担者 |
原田 千鶴 大分大学, 医学部, 教授 (80248971)
吉良 いずみ 大分大学, 医学部, 講師 (70508861)
西迫 真美 大分大学, 医学部, 助手 (90736109) [辞退]
佐藤 祐貴子 大分大学, 医学部, 助教 (60635366)
永松 いずみ 大分大学, 医学部, 助教 (50347019) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療安全教育 / リスク感性 / RCA(根本原因分析法) / 看護基礎教育 |
研究実績の概要 |
1.目的:「RCA(根本原因分析法)を活用した医療安全教育プログラム」の効果を縦断的な調査によって明らかにし、看護基礎教育における効果的な医療安全教育プログラムや卒業時の目標を再考する 2.活動の実際 1)医療安全教育の成果の検討:①縦断的な調査として、卒業後1年目の対象者に、リスクマネジメントの知識・実践・認識、リスク感性、看護基礎教育における医療安全教育の意義等に関する紙調査を実施した。②受講前・受講後・臨地実習後・卒業後1年の各時期の質問紙調査の分析、並びに受講前との比較分析を統計的に行った。③卒業後1年目の調査の看護基礎教育における医療安全教育の意義等に関する記述内容を質的に分析した。2)RCAのグループ記録の分析結果(①学生のリスクマネジメントの傾向、②RCA演習による学び)について学会発表を行った。 3.研究の成果 1)リスクマネジメントの知識・実践・認識については、受講前に比べて受講後・臨地実習後・卒業後に高まり持続していた。しかし、実践で医療安全の知識やモデルを活用したリ、自分の傾向を自覚した行動をする割合はやや低く、医療安全の知識を実践に反映することへの課題が示唆された。2)卒業後、看護師として捉えた看護基礎教育におけるRCAを活用した医療安全教育の意義は、医療安全意識を持つ契機となったり、医療安全の当事者意識を高めたり、看護者としての行動の根拠となることであった。また、実施後の調査ではリスクマネジメントの視点の広がりが示されたが、卒業後の調査では低下しており、実践の中で自明のことになっていくことが示唆された。3)これらの結果より、本プログラムは、学生に臨床のリアリティを伝え医療安全の意識や当事者意識を高める、医療安全文化の基盤を作ることに有効であると言える。医療安全の専門的な知識の活用した実践のためには、実習などの実践の中での教育の必要性が示唆された。
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