研究課題
大学の立地している周辺の地域A市の中小規模病院の療養・一般病床の数200床以下の病院の看護部門の責任者を対象として、該当する施設9施設に依頼をして、インタビュー調査を行った。2施設の看護部門の責任者に対して、インタビューガイドを用いて半構成的面接法で個別に行い、「看護師の新採用者の状況」「実際の現任教育・新採用者への教育内容」「現任教育等において困っていること、難しいこと」「看護大学への協力の希望・期待」について調査した。今回調査した中小規模病院に於いては、新卒者の採用はほとんどなく、経験のある看護師を採用していた。現任教育の現状は、院内における教育、院外における教育等を行っていた。現任教育における困難としては、中小規模病院において「接遇教育」と「教育背景の違い」の2項目が現任教育上の困難として抽出された。看護技術に関する教育については、「そんなに困ったということはない」「新卒者がいないというところが楽に思える」と困難を認識していなかった。看護大学への期待には、技術教育に関する期待と、コミュニケーション力の育成に関する期待があったが、協力についての希望は無かった。現任教育への継続的な支援を大学に求めていた先行研究文献があったが、今回の調査では大学との協力や連携の希望は無かった。当初の計画であった大学での演習プログラムへの参加については、現状の中小規模病院のニーズと異なり、施設側の理解を得られるものではなかった。中小規模病院の現任教育に継続した支援ができるような関係性の構築とともに、支援できる体制を整えることが必要である。