研究課題/領域番号 |
26463316
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
籏持 知恵子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70279917)
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研究分担者 |
南村 二美代 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (00634015)
角野 雅春 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (50611456)
藪下 八重 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (60290483)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / エンドオブライフ / 意思決定 / 支援モデル |
研究実績の概要 |
本研究は循環器疾患の終末像である慢性心不全患者のエンドオブライフに向けての療養法選択に関わる意思決定支援モデルをEagenの看護介入モデルの開発プロセスに基づき、帰納法的に作成し、評価することを目指す。 平成26年度は文献検討に基づく重要概念を整理し、構成要素の前提に明らかにするとともに、米国ミシガン州のArbor Hospiceにおいて米国の非がん性疾患患者の終末期ケアの現状についての視察・研修を行った。また研究者、次年度以降のデータ収集施設における研究協力者も含めて、看護介入モデルの開発のプロセスについて、慢性看護に関する研究会にて12月、3月の計2回、学習会を実施した。 文献検討を通して、意思決定支援モデル作成の前提に関わる、心不全の末期(end-stage)と終末期(end-of-life)の違い、意思決定の主体別の3つのタイプ(パターナリズムモデル、シェアードディシジョンモデル・インフォームドモデル)、コンコーダンスモデル(患者自信が症状を一番わかっているという立場での医療の在り方)について確認した。さらにアドバンス・ケア・プラニング、アドバンスディレクティブ、DNAR(Do Not Attempt Resuscitate)の関連について整理し、意思決定支援における医療者-患者・家族間にとってのプロセスの重要性を明確にした。 海外視察では、医療従事者からの講義や討議、対象患者宅への同行訪問により情報収集し、非がん患者の終末期の症状と緩和のための治療とケア、意思決定への支援方法、医療制度や医療提供者側の問題について整理し、モデルの構成要素の参考とした。研修内容については、関連学会交流集会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の予定であった①慢性心不全患者のエンドオブライフケアに関する重要概念の整理 ②海外における非がん性疾患患者のエンドオブライフケアについての視察・研修③慢性心不全患者のデータ収集と分析過程をスムーズに進めるための介入モデル作成過程の学習会を研究協力者を対象に2回にわたって実施し、概ね予定通り進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はadvanced nurseから慢性心不全患者の終末期の療養法選択に関わる支援についてインタビュー調査によりデータ収集と分析を行い、帰納的に看護介入モデルを作成する。その調査のための倫理委員会の申請を速やかに進め、所属施設、データ収集施設における倫理委員会の承認を得る予定である。データ収集にあたっては、平成26年度に介入モデルの学習会に参加した専門看護師の協力を得て、実施する予定である。実施後はインタビューデータを構成要素の観点から分類し、原案を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は分担研究者も含め海外視察、研修、国際学会参加などにより海外における情報収集予定であったが、今年度は2名の参加となったこと、購入予定であったコンピューター、プリンターについては次年度以降の使用頻度が高まる時期の購入としたため次年度の使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
教育業務の都合により本年度海外視察、研修が行えなかった者の分の旅費等に関しては、次年度以降、国際学会などの参加を通して、海外の非がん性疾患患者のエンドオブライフケアに関する海外の研究者との情報交換、情報収集するための費用にあてる予定である。また、使用状況を考慮してコンピューター、プリンターも次年度以降で順次購入する予定である。
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