研究課題/領域番号 |
26463320
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
石光 芙美子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00453457)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | せん妄 / 周術期看護 / クリティカルケア看護 / 質指標 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、(1)27年度に実施したフォーカスグループインタビューの分析と、(2)術後せん妄症状看護の質指標素案作成に向けた概念枠組みの検討および先行文献からのケアの抽出、(3)平成27年度までの研究成果の一部を学術集会等で公表した。 (1)クリティカルケア看護に携わり、所属施設の管理者から臨床現場でせん妄ケアに取り組んでいる看護師として推薦のあった専門看護師と認定看護師を対象に得たインタビューデータをもとに、「せん妄をどのように捉えているか」・「せん妄ケアの目指すゴールやアウトカム」・「実践の場で手応えのあった善いせん妄ケア」・「せん妄からの回復を判断するプロセス」の4つの内容について質的に分析した。このうち「せん妄ケアの目指すゴールやアウトカム」として、<苦痛や不安のない状態で、身体の状態そのものを回復できる>・<患者が日常性を獲得できる>・<せん妄による後遺症(長期的な影響)を残さない>の3つの内容が抽出された。これらは先行研究では報告されていない内容で、せん妄ケアの質指標の概念枠組みの中で、せん妄ケアによって目指すべき方向性を示す変数として活用できる。 (2)術後せん妄ケアの質指標概念枠組みとして、<未発症期><発症前駆期><発症重篤期><回復期>の4期に分け、研究代表者のこれまでの研究成果と国内外のせん妄に関するガイドラインや先行研究から各時期のケアの目的とせん妄ケアの整理を行った。 (3)「Subsyndromal delirium(閾値下せん妄)から捉えたせん妄ケア構築の可能性」について学術集会および週刊医学界新聞(看護号)で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の所属研究機関等の変更に伴い教育等業務の拡大が生じたことで、想定していた分の研究活動の時間を確保することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は術後せん妄症状看護の質指標素案の完成およびエキスパートパネルによる質指標の評価によって術後せん妄症状看護の質指標の構築を目指す。平成28年度までで、質指標の概念枠組みに用いるアウトカム変数の抽出ができており、またこれまでに行ったフォーカスグループインタビューから抽出された内容には、せん妄ケアに卓越している看護師の臨床知に基づくせん妄ケアが含まれている。これらの内容も術後せん妄症状看護の質指標として素案作成に組み入れることで、最終年度として課題に対する成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属研究機関等の変更に伴い教育等業務の拡大が生じたことで、国際学会における研究成果の公表を含め、想定していた分の研究活動の時間を確保することが困難であった。
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次年度使用額の使用計画 |
全残金を術後せん妄症状看護の質指標構築のための調査費用および成果発表にかかる費用として使用する。
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