研究課題/領域番号 |
26463521
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
則包 和也 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (00342345)
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研究分担者 |
川添 郁夫 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80624741)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 統合失調症患者 / 集団療法 / 認知行動療法 |
研究実績の概要 |
26年度は、2つのデイケア施設に本研究の協力を依頼した。A施設では、11名を対象としてMCTを一週間に1回、計8回実施した。対象者は男性6名、女性5名であり、全員が統合失調症であった。MCT終了後に、9名の対象者にインタビューを行い、MCTの感想、要望、改善点、使用するスライドや文章の分かりやすさ、及び、進め方や有効性等を質問した。それに対する回答では、「スライドでは外国人の表情がよく使われているが、日本人のほうが良い」、「グループで MCTを行ったことが効果的だった」等、本研究にとって貴重な意見があった。現在、それらの発言から逐語録を作成し、カテゴリー分析を行っている。 B施設では、13名を対象としてMCTを一週間に1回、計8回実施した。対象者は男性9名、女性3名であり、11名が統合失調症で1名がうつ病であった。MCT終了後のインタビューは日程調整中である。 なお、上記の2つの調査において、MCT実施前後に自己関連づけ尺度、Locus of Control尺度、ネガティブな反すう尺度、出来事の捉え方評価の4つの尺度への回答を対象者に依頼した。現在、回答を数値化し、統計的な比較による検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の自己評価は、デイケア施設でのMCT実施は概ね順調であるが、MCT+の個人または極少人数グループへの実施がなされていないことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は精神科急性期病棟に依頼し、症状が安定し退院支援を行う段階の患者を対象として、MCT+の実施を進めていき、意見や感想を得る機会を調整する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度に計画をしていた海外での学会に参加できなかったこと、および、対象者への謝礼金を伴わない形で研究への協力が得られたことの2点が大きな理由である。謝礼金については、施設の責任者、スタッフと話し合い、謝金の有無がメンバーや施設運営に及ぼす悪影響を考慮した結果である。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度は国内での学会に参加し、情報収集と発信に務める為の費用、および、イタリアで精神疾患患者の地域ケアの先駆的な試みを実施しているトリエステの見学費用を計画している。 また、精神科病院の急性期病棟に入院中の患者を対象としてMCT+の実施と、感想・改善点等の意見を得る機会を、病棟と調整する予定であり、その謝金、およびデータ入力作業費用として、予算の使用を計画している。
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