地域で生活しながらデイケアに通所中の統合失調症患者(以下、患者)19名に対して、MCT(メタ認知トレーニング集団用)を実施した。患者の尺度への回答を、実施前後で統計的比較を行った。その結果MCTの介入は、出来事に対する認知バイアスを改善することが明らかになった。また、外来通院中の患者4名に対して、MCT+(メタ認知トレーニング個人用)を実施した。その後の面接では、出来事の原因を「自分」「他者」「偶然」の3つの視点から考えることが可能になり、自分の言動を客観的に捉えるきっかけになることが語られた。 これらのことからMCTとMCT+は、統合失調症患者への治療的な関わりとして有効と考えられた。
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