放射線、宇宙線を連続して照射すると、細胞内にストレスが生じ、活性酸素が発生する。これが細胞損傷、遺伝子異常を誘発し細胞死につながる。一方、様々な光線を間歇的に照射すると、細胞内に分子シャペロンが形成される。この分子シャペロンは細胞内タンパク質の損傷部位を修復し、結果としては放射線、宇宙線に対する耐性が生まれる。分子シャペロンの一つにヒートショック・タンパク質70(HSP70)があり、このタンパク質の活性化には細胞内のカルシウム濃度が関与し、TRPチャネルの活性化がもたらされる。この機構をヒト皮膚由来培養細胞と、かん細胞を対照として、光線照射の効果をHSP70の働きとして本研究で詳細にした。
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